Weekly Column

マンションの水道設備を「もっと知りタイム」

もっと知りたい「今週のキーワード」

マンション給水管更生 給水管延命 ライニング工事 費用対効果

公開日:2023/08/28

マンション給水管の劣化に伴う修繕工事は、場所や劣化の程度により「どのような工法を使い」「どこまで工事するのか」などの判断を、管理組合でよく話し合う必要があります。
 
近年では設備の延命(長寿命化)をするために、配管をまるごと交換をせずに再生する工法の「更生工事」が提唱されていますが、具体的にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

目次

◯劣化した給水管を「更生」するか?「更新」するか?それが問題
◯給水管の「更生」とはどんな工事なのか?
◯給水管を「更生」するメリットとデメリットとは?

今週のもっと知りタイム

「更生工事」を選択する際の注意点

劣化した給水管を「更生」するか?「更新」するか?それが問題

給水管の寿命とメンテナンスの方法

給水管の寿命は使用されている管材や工法や使用頻度などにより異なりますが、概ね30年と言われています。国土交通省のガイドラインでは、築後25年頃から「対策を要する」と記載されておりますので、一般的にはそのころから修繕の検討に入ることが望ましいでしょう。

 

給水管の修繕・メンテナンスは大きく2つの方法があります。

 

一つは、配管をすべて「新品」に取替える「更新工事」です。もう一つは、現状の配管をそのまま活用して修理・加工して「再生」させる「更生工事」です。

 

住宅に例えると「建て替え」が「更新」、「リフォーム」が「更生」にあたります。「更生」は「更新」よりも、工期が短くコストが安く済むので、劣化の進行状況や長期的に考えた修繕計画によっては、「更生」も選択肢として検討するべきでしょう。

給水管の「更生」とはどんな工事なのか?

❶ライニング工法

給水管の更生工事にはいくつかの種類(工法)がありますが、もっとも一般的に知られているのが「パイプライニング工事」です。

「ライニング工事」とは、鋼管の内面のさびを除去し、ビニールなどの樹脂を内側から塗布することで既設管の継続使用と延命を図る工法のことです。管の内側をコーティングして劣化を抑止することができます。

❷反転工法

もう一つの工法として「反転工法」があります。共有部の「立管」に使われることが多い工法です。

 

「反転工法」とは管の内側から、特殊な液を浸した長い風船状の繊維を、空気で膨らましながら挿入し固めて補修する工法です。風船状の繊維を管の内側で反転させ、内側に密着させるのでこの名前で呼ばれています。劣化した管の中にもう一つの管を新しく作るという工法で、ライニング工事同様に管内部の劣化を止めます。

合理的な工法と言える反面、分岐部分をどう処理するかなどの技術的な課題もあります。

給水管を「更生」するメリットとデメリットとは?

メリットは少ない予算で水道設備の「延命」ができる点

更生工事の一番のメリットは、水道管の内側に新しい被膜を作るため耐用年数を大きく伸ばすことが出来る点です。更生工事をするタイミングによっては、管の寿命を10年程度伸ばすこともできると言われています。すべてを新品に取替える「更新」工事と比べると当然コストは少なくて済みますので、マンション全体で費用対効果をしっかりと見極めることができれば良い選択になると言えるでしょう。

専有部などの改修に効果を発揮するケースも

専有部で配管を更新する場合は、キッチン、浴室、洗面台、便所、ベランダへの散水栓などへ配管されるため、壁、床、設備機器の撤去、復旧が必要となります。しかしこの更生工事では、既存の配管の内面に樹脂コーティングを行うため管の入り口(と出口)からの作業となり、床などを剥がさずに工事ができます。なので、専有部の修繕工事は各部屋の復旧工事が不要(一部劣化部補修のため撤去、復旧が必要な場合もあります。)となり、効果が発揮されるケースもあります。

デメリットは劣化の程度により、マンションすべての配管を「更生工事」で修繕できないことが多い点

ライニング工法の大きな課題としては、さび・腐食の劣化が進みすぎていると管内のさびを落とした段階で穴が空き工事が不可になる点です。マンション全体の一部でもそのような箇所があると、その部分は「更新」をしなくてはならず費用対効果の面でメリットが出づらくなり、修繕計画自体見直さなくてはならないをケースも出てきます。

更生工事を選択する前には、入念な現場調査をする必要があると言えるでしょう。

★★★もっと知りタイム★★★

「更生工事」を選択する際の注意点

少ないコストで給水管の「長寿命化が実現」できる「更生」工事ですが、いくつか注意しなくてはならないポイントもあります。
 
1つ目は、工事工法も種類が多く施工業者による施工技術の差もあるため、工事の品質にばらつきがでる可能性がある点です。水道管の中を研磨して樹脂などの薬液を内側から塗る作業や、風船を膨らましながら水道管に入れていく作業は高度な作業となります。また共有部などの長い管を「すべてきっちりと「更生」できているかどうかを検証すること」は現実的にはできませんので、業者の技術や信頼性に頼るところが大きな工事になると言えるでしょう。
給水管の一部にほんのわずかでも塗り漏れなどがあると、結局はそこから腐食が進み漏水などの事故につながってしまいます。
 
次に共有部の配管が分岐が多い場合などは、同じマンション内で「更生」できる部分とできない部分などが出てきてしまう点です。
 
世帯数の多いマンションなどで、現場調査の結果一部では更生して他の部分は更新するという工事計画となってしまうと、修繕工事の費用負担の公平性という観点からも問題となり、結局すべてを更新した方がよいという結論になることもあります。

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